毒
心に毒が回ってしまった。
どうすることも出来ない垂れ流すだけの排泄物。吐き出す事も出来ずに現実にまで重くのしかかる。
型の中に体をはめ込まれ、泥を流し込まれ、コンクリートのように固められ、動けない。それが今の自分。
人に触れるとさらに回ってしまう。爆発したら他の物まで吹き飛ばしてしまう。
毒の回りが早くなってしまったのはどこからだろう。
骨肉の争い。半生を台無しにしてくれた人間との再会。友人からの拒絶。裏切り。
身に付けた力や毒に対する免疫がたったの半年で脆くも崩れ去ってしまった。
太陽はもはや遠く。
俺の世界は一人ぼっちのくすんだ世界。
光はあそこにある。しかし翳りが見えた。太陽は自分の光が欠けている事にも気付いてない。
この毒は光を消してしまうだろう。
猛毒にまみれた自分の姿を太陽の前に晒す事は出来ない。
俺の心を消してくれ。手の震えを止めてくれ。足の沈みを取ってくれ。
それでも帰らなきゃいけない。
つかめなくても必ず手にしたい。光を。
でも今は自分で消し去らなければならない。でもいつかは薬になってくれると思う。
今はこれが精いっぱい。